厚生環境委員会、高知県と徳島県の視察

10月28〜30日、岐阜県議会の厚生環境委員会の県外視察が行われました。今回は高知県と徳島県、隣接県ですが急峻な地形に隔てられ、地域間の交流は限られているようです。ここがポイント。
まず、名古屋空港から空路で高知県庁、医師確保のヒアリング。
人口74万5000人、地形的要件が厳しく、高齢化も進み、県庁所在地一極集中にして、入院受療率全国一の高知県。ちょうど現在全国都道府県で策定されている2025年を見据えた地域医療構想でもこの社会的入院になっている病床を減らすことに困難を抱えています。
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高知県内の医療事情は人口同様に高知市周辺地区への集中が顕著。県内4つの二次医療圏のうち圏内人口が数万というところが2つ。交通事情がよくないなか、医療機関や医師、看護師など偏在が顕著です。
医師確保については高知大学医学部に寄付講座を設けた地域医療医師の育成、そして若い医師の育成に力を入れています。岐阜県も目的は同じでも手法はそれぞれ。
高知県の医療事情は厳しい、でも努力をしています。今月、全国の会合で地域医療構想について講演するので、そうした目的でも役に立ったヒアリングでした。
続いて同じ高知県庁で、CLT(クロス・ラミネーテッド・ティンバー)についてのレクチャーです。CLTとは木材を並べてつくった板を繊維方向が直行するように何枚も層のようにして重ねたパネルのことです。間伐材を利用することが出来、無駄になっていた資源を有効活用できます。森林県の高知県は、このCLTも全国トップの生産量ということです。
二日目は清流で名高い四万十川が流れる四万十市。高知市からバスで2時間半もかかります。
四万十川に関わる条例について四万十市役所でレクチャー。高知県は平成元年に、清流を保全し次世代に引き継ぐことを目的として高知県清流保全条例を制定し、四万十市(当時は中村氏)も平成2年に同様の条例を制定しています。この二つの柱で清流の保全を進めているのですが、単に水質だけではなく、四万十川の景観やそこで営まれる生活についても守ってゆこうというのが趣旨です。「四万十川の景観保全」と言っても個々の建築開発行為への対応は大変と思いますが、四万十市では観光課が窓口となっているそうです。
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四万十市からバスとディーゼル特急を乗り継いで徳島県上勝町。12時過ぎに出て到着は午後7時すぎ。四国の県間交通事情は厳しい地域が多いのですが、移動時間が多すぎて効率悪すぎます。
最後は上勝町、これも全国に名高い「葉っぱビジネス」「2020年ごみゼロ」。人口はおよそ1800人、高齢化率50%を超える山間地の自治体です。まず「2020年ごみゼロ」、かつてはなんでも野焼きしていたという上勝町のごみ処理ですが焼却炉をつくってすぐにダイオキシンの問題が浮上、そうしたなかで分別を徹底することでリサイクル・リユース・リデュースを進めることになったそうです。分別は実に34種、これほどのところは見たことはありません。分別ごみに応じてポイントを支給しており、これがインセンティブになっています。
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分別を進めるにあたって町ではNPOを設立して業務委託、実務はシルバー人材センターなどに委託しています。高齢化の進んだ地域なのでセンターにごみを持ち込めないお年寄りも多くいます。そこでお年寄り世帯対象にごみの回収も行っており、回収時にあわせてお年寄りの安否確認にも役立っているということです。生ごみはコンポストで、戸別に処理をしています。
「葉っぱビジネス」、刺身など料理を飾る「つまもの」となる葉を売って高額の収入に繋がった事例も報告されるこの取り組みですが、発端は特産のミカンが寒波で壊滅的な被害を受けたことだそうです。葉の収穫は労力の負担が重くなく、女性や高齢者でもやりやすいということで、特に高齢者の生きがい創出にもつながっているとのことでした。
「葉っぱビジネス」「2020年ごみゼロ」ともに危機に直面した小規模自治体による突破口の事例と言えそうです。そう考えると、人とアイディアと住民の問題意識の共有がうまく噛み合えばへき地の小規模自治体にこそチャンスがあるのかも知れません。
今回の視察、それぞれは意義深く、関心の持てるものでした。しかし三日かけて遠方に出掛けたにしては視察箇所三ヶ所というのは物足りなさを感じました。また四万十川にしても上勝町にしても有名な事例で、書籍やネット、報道での紹介も多いのですから、わざわざ現地に出向いてまで・・・と思わなくもないところです。議員と同行職員11名の交通費や宿泊費は大部分公費なのですから、目的を明確にしたうえで視察箇所を検討して欲しいものです。これは議会側(議員)の責任になります。

 

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