視察報告(岐阜県議会・厚生環境委員会:東濃~中濃)

岐阜県議会・厚生環境委員会の県内視察が8月25・26日に行われました。今回は東濃から中濃です。
最初は中津川市加子母(かしも)、今年2月に運用が始まった加子母清流発電所です。

農業用水から取水し、61メートル余りの落差を利用した最大出力220kw、年間発電量168万kw/h(一般家庭400世帯分)の小水力発電所です。岐阜県が総事業費3億3800万円で整備し、運営は中津川市が行っています。

機器の耐用年数は17年くらい、売電益で8年くらいで元がとれるということです。
保守管理は中津川市が行っていますが、発電機内に枝や葉が入ることでメンテナンスが必要になります。月に4~5回は停止するのでメンテナンスが必要とのことです。
小水力発電は自治体のエネルギー施策として各地で取り組まれるようになりました。岐阜県内は適地が多いのですが、安定供給できる電力会社の電気の代わりになるものではありません。この施設のように売電や地域内の施設に供給する役割の分散型のエネルギー源という役割となります。

続いて恵那市、県立白鳩学園です。

 

 

戦後、主として満蒙開拓団の引き上げ孤児に入所してもらう施設として開設された歴史ある施設です。近年は児童養護施設として虐待などで保護者から育てることができない子どもたちに入所してもらい養育して自立を支援する施設となっています。定員40名、幼児から高校生まで現在37名が入所しています。社会的な環境の変化や子どもの人権尊重などから現代の生活基準からすると施設的に物足りなくなっていると 感じざるを得ません。個室まではいかないまでもプライバシーの確保や施設の快適性なども向上したいところです。岐阜県では、そうしたことも含めた在り方検討に取り組むとのことでした。

初日最後は同じく恵那市のたんぽぽ作業所です。

 

 

昭和61年に社会福祉法人たんぽぽ福祉会によって知的障がい者授産施設として開所、その後働くことを通して障がい者に社会的自立を目指してもらう施設として工場やグループホームなどを整備してきたそうです。
写真の木工所のほか、食品加工、シイタケ栽培、部品加工の下請けなど様々な工場があります。重度の障がいがある人も指導を受けて働き、社会での役割を持ってもらっているそうです。

二日目、多治見市の岐阜県現代陶芸美術館です。

 

 

この施設は今年度から県教育委員会所管から知事部局(環境生活部の文化行政)に移管されました。そこで厚生環境委員会の視察となったというわけです。
と言っても、学校との連携は重要で、視察時には県内小~高校の子どもたちによる陶芸作品の展示が行われていました。来月からは古田織部400回忌の企画展も行われます。非常に貴重な作品も展示される充実した企画展のようです。

最後に岐阜県の生んだ偉人・杉原千畝先生を顕彰する八百津町の杉原千畝記念館です。

言うまでもなく、ナチスドイツの迫害を恐れて国外に逃れようとするユダヤ人たちに日本通過のビザを発行したことで数多くの人命を救いました。その杉原千畝先生の行動について、訪問者にどのように伝えているか詳しく聞きました。

当時の執務室を再現した部屋で。千畝先生にあやかりたく記念撮影です。

「議員の質を私が変える」~LM推進地方議員連盟・マニフェストサミット

地方議員、いま、リスペクトされない職業の最右翼では?
次々に報じられる不祥事。何をやっているのかわからない、存在感の希薄さ。それでいて報酬は不当に高いと思われている・・・
志を立てて地方議員を目指し、専業として地方議員を真っ当にやっている(と思っている)自分とすれば切歯扼腕たる状況です。
今年のLM推進地方議員連盟・マニフェストサミットは「議員の質を私が変える」という大上段なテーマを掲げて開催されました。恐らく、参加者である地方議員の大半は私と同じ思いでしょう。
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早稲田大学政治経済学術院の北川正恭教授(元三重県知事)、山梨学院大学の江藤俊昭教授、TBSの杉尾秀哉記者(キャスター)、ジャーナリストの津田大介さんがパネルディスカッションを行いました。
このなかでは、政務活動費の使途不透明問題、セクハラヤジ問題など最近の地方議員・議会の不祥事について、こうしたことは以前から潜在的な問題であったことや問題に当たって議会自身の自浄作用が不十分であったことが指摘されました。
そして、地方分権の推進にも関わらず、このままでは地方議会不要論に押しつぶされるとも指摘され、これに対して地方議員はネットなども使って住民との距離を縮めるとともに住民と双方向の関係を作ってゆく必要性や、地方議会の一層の公開と住民参加議員間討議を含めた協議の場づくり政策競争がさらに求められると意見が出ました。
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TBSキャスターの杉尾さん、マスコミの地方議員に対する観点、納得です。
マニフェストサミット、NEWS23でも放送されました。http://www.tbs.co.jp/news23/feature/f201407300000.html

また住民と双方向の関係を築くためのネットの活用や、ネット活用などに関する議員間の討議も行われました。このなかでネット選挙解禁以降、過去に行われたネット選挙対策を見ると候補者陣営と有権者との間にギャップがあること(候補者陣営はPRばかりで双方向性がない、有権者の知りたい情報を考えない)、ネットも含めた議員の広報については情報流通の在り方を考えていない(有権者の視点で何を伝えるべきか考えていない、見せ方を考えていない)など指摘がなされていました。

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横浜市議会の黒川まさる市議、実にシステマティックに広報に取り組んでいます。

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戸田市議会の斎藤直子市議、マスコミ出身らしく動画を使っています。

今回のサミットで感じたことは、改革を目指す議会・議員と旧態依然の議会・議員の差がますます開き二極分化の状況になりつつあることです。自らを鍛えなおすとともに(昨年度の議会改革度ランキング全都道府県中44位の)岐阜県議会も少しでもいまの県民感覚に合致したものにするために努力が必要だろう!

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岐阜県の改革度ランキングは、何位?

市民と議会の条例づくり交流会議2014

少し遅くなりましたが、7月26・27日に開催された「市民と議会の条例づくり交流会議2014」についてご報告します。

「行財政縮小時代と市民自治体・議会で未来をつくれるか!?」をテーマに、今年の交流会議はいつもの法政大学市ヶ谷キャンパスで開催され、全国の地方議員や市民など150人余りが参加しました。


まず「議会改革の現段階」として、議会基本条例の制定と改正や議会への市民参加、議員間討議の状況など、全国地方議会の状況調査の結果が報告されました。
これに続いて人口減少、高齢化、そして財政縮小の時代に「自治体の将来ビジョンを選び、実現するという課題を議会が担えるか?」という視点で法制大学の廣瀬克哉教授が講演しました。
ポイントは:今後、自治体が担える業務や事業が縮小せざるを得ないなかで、自治体行政の担える範囲の見直しが必要になってくる。それを決めるのは必然的に議会であり、そのために議員間討議など議会のなかで課題・論点を浮き彫りにし、論じることが必要であるということでした。


そして二日目は具体的なテーマとして、これから自治体の重要課題になる「公共施設等総合管理計画」について研究者や首長による講演が行われました。「公共施設等総合管理計画」は国が自治体に求めている行政計画で、岐阜県でも県有の建築物や道路橋梁、上下水道などのインフラについて管理や維持補修などの計画をまとめることになっています。公共施設が老朽化、または余剰の場合、除却にあてる地方債を認めるということも国は言っています。
一連の講演のなかでポイントは:公共施設を使っているのは自治体の住民であるので、作ったり壊したりすることに住民、そして住民代表である議会はまず関与しなければならないのではないか?という点です。これについては私も議会(特別委員会)のなかで、管理計画について逐次議会への報告と県民がわかるかたちでの公表(HPなどで)を求めています。

最後に分科会も行われました。
ここでは私は「どうする?議員間討議」をテーマにした分科会に参加し、各地の地方議員とともに自分の議会における議員間討議の現状と改革の方向性についてグループ討議を行いました。前述の通り、議会のなかで課題を見つけ出し少数意見も聴いたうえで合意を作り出すのに議員間討議は有効です。しかし岐阜県議会では制度として議員間討議はほとんどないというのが現状です。グループ討議のなかで京都市議会や練馬区議会の議員とご一緒させていただきましたが、それら大規模議会では岐阜県議会と同様に、会派制の制約などから議員間討議の導入が難しい状況もあるようでした。ただし京都市議会では委員会審議で実質的にかなり活発な議員間討議が行われているということで、やり方を考えてゆくことで実を取ることもできるのでは、ということでした。

全国で地方議員の不祥事が指摘され、地方議会不要論もささやかれますが、地方分権の進展から議決機関としての地方議会の役割は高まっています。今回の交流会議でも議論する議会への変身という課題は改めてクローズアップされました。